家づくりを考え始めた方のほとんどが、坪単価というキーワードが気になってくるものです。坪単価という目安でしっかりと比較検討できたら、どれほど良いかと思います。
しかし、実際には坪単価を聞いたところで、比較の目安どころか、逆に混乱してストレスになるケースもあるので注意してください(^^;)
坪単価の、一般的なイメージは、【家を建てるのにかかった費用】÷【面積】
が妥当かな?と思います。
3000万の住宅ローンを組んで、坪単価60万の家であれば、単純計算すると、
3000万 ÷ 坪単価60万 = 50坪の家が建つ
という図式が成り立ちますが、実際には全然違うことが多いんです。
チラシなどで多く見かける坪単価は、
【建物本体工事費】÷【延べ床面積or施工面積】になります。
まずは①の本体工事費。
実際に建物にかかった総工事費ではなく、本体工事費となっている点に注意です。
多くの場合、家を建てる際にかかる総費用の内訳として、本体工事、付帯工事、オプション工事、外構工事などがあります。
その他にも地盤改良工事が必要な場合も多く、建て替えの場合には解体工事や仮住まいの費用、そのほか各種申請費用など多くの諸費用がかかります。
もちろん!!
これらの本体工事費以外の工事費用や諸経費は坪単価には
含まれていません(^^;)
なので、
えー、聞いてた坪単価にはまったく収まらないじゃん・・・(T_T)
ってなる方が多いです。
安い坪単価に惹かれて家づくりを進めていくと、こういったパターンに陥りやすいです。
とても安い坪単価のチラシを見かけたりしますが、
たいていは本体工事費をなるべく少なくして、その分を付帯工事、オプション工事、設備工事などの項目に割り振っているので、安い見せ方ができるようになっています。
極端な例としては、水道工事は別、電気工事は別、〇〇工事も別、、、、、
坪〇〇円で家が建つ!!って
確かに家は建っているかも知れないけど、
それって住めないよね??
そして②は面積の出し方
【延べ床面積】
延べ床面積とは、建築基準法令第2条1項四号に規定される延べ面積のことで、各階の床面積の合計と定義されています。
吹き抜けや、バルコニー、玄関ポーチや押入れ、クローゼット、ウッドデッキなどは算入されません。

不動産・住宅情報サイト ライフルホームズより
【施工面積】
延べ床面積に含まない、吹き抜けや、バルコニー、玄関ポーチや押入れ、クローゼット、ウッドデッキなども含みます。

差が出る!
坪単価は、
①本体工事をなるべく少なく、②面積はなるべく大きくすることで、安くすることが可能です。
その他にも、坪単価が変化する要因があります。
それは、構造や形状、性能です。
平屋よりも二階建ての方が坪単価で考えると安くなります。
屋根工事も基礎工事も2倍、そして土地も2倍使うことになりますね。でも、坪数は同じなんです。
ほとんどのハウスメーカー、工務店は、坪単価は安く言いたい、安く見せたいので、ほとんどの場合の坪単価は2階建てを想定した坪単価です。
もしも、平屋建てが希望です!と伝えたら、一気に坪単価は変わってしまいます・・・。なので坪単価を基準にして比較検討しても、あまり意味がありません。
そして、建物の形によっても坪単価は変化します。
同じ坪数でも、シンプルな真四角の形状と、複雑な形状では複雑な形状の方が坪単価は高くなります。
同じ40坪でも、真四角は外周が46mなのに対して、複雑な形状では57mになります。
その分の外壁材、断熱材、基礎、屋根などの材料が多く必要になり、それらすべてに関わる施工費も発生します。
あー、なんかあの家オシャレだね~(*´▽`*)
普通の家と違って、形とかもこだわってるし!!
っていうパターンは、オシャレにお金をかけている。という事です(^^)/
家をオシャレにするのも、家の形状でオシャレにすることもできれば、外壁材の色使いでもオシャレにできたり、庭などの外溝工事でも、家具などのインテリアでオシャレにすることもできます。
一番費用がかかるのが、家の構造に影響する家そのものの形状や間取りです。そして後からコロコロ変えることも難しい部分でもあります。
それに対して、一番費用を抑えてオシャレにできるのは、家具やインテリアですね。これらは後からいくらでも変えることもできるというメリットもあります。
坪単価を比較検討の目安にするならば、同じ間取り、同じ仕様、同じ気密性能、断熱性能で比較しないとまったく意味のないことになります。
家づくりを検討し始めて、最初の知識として、ローコスト建売住宅、ローコスト注文住宅、高性能注文住宅、デザイナー系住宅などの相場の目安として把握しておくイメージ程度なら良いのかも知れませんが、、、
そもそも、坪単価の算出方法は明確な規制がなく、各メーカーや工務店の独自のルールによって基準を設定しているという問題があります。
まとめ
・坪単価よりも、税込み総額いくらですか?って聞いた方が良い。
・坪単価を比べるなら、同じ間取り、同じ仕様、同じ性能という前提でないと意味がない。
・坪単価は、建物の構造、形状、設備のグレードなどのあらゆる要素で簡単に変動するもの。