感染症対策の1つとして「換気」というキーワードが注目されるようになりましたね。
一般住宅においても換気は重要視されていて、平成15年7月から施行された改正建築基準法によって、24時間換気システムの設置が義務化されました。
換気扇と聞いて真っ先に浮かぶのは、台所のコンロ上の換気扇、お風呂場の換気扇、トイレの換気扇だと思いますが、これらはピンポイントで湿気や臭いを外に出すための「局所換気」と言われます。
それに対して、24時間換気システムは、文字通り24時間365日換気扇を回し続けて“計画的に”家の中の空気を換気するシステム”の事です。具体的には、各部屋ごとに吸気口と排気口を設けて換気扇等で計画的に換気を行う装置となります。
住宅の熱損失(暖めたり、涼しくしたりした空気が逃げていくこと)の30%は換気によるものだと言われているのに、なんでわざわざ24時間換気システムの設置を義務化したのか??
せっかく冷暖房しているのに!
もったいない!!
ってなるところですが、やはりそれなりの理由があります。
もともとの義務化の理由は、室内で使用する建材に有害物質が含まれていたことが原因でシックハウス症候群、アレルギーが問題となったことが発端です。健康被害を防ぐために換気をしようというのが本来の目的です。
ちょっと言葉の補足ですが、24時間換気システムの設置の義務化であって、使用の義務化ではありません。なので、現状では、この24時間換気が使われていないケースもかなり多くあります。
主な理由として言われているのは、次の3つです。
・寒い
・換気扇がうるさい
・電気代がかかる
今回はこの中の、「電気代」について取り上げてみたいと思います。
でも、その前に、
「寒い」と「うるさい」についても簡単にふれておきます。
「寒い」・・・よくあるのが、ベットやソファーの真上に給気口があり、空気の対流を直に感じてしまって寒いというケース。これは換気計画の段階のレイアウトの工夫で防ぐことができます。それと、そもそも換気の影響で寒いのではなく、家そのものの気密性能、断熱性能が残念ながら低いというケースもあります。
「うるさい」・・・これは、たぶんお掃除すれば改善します。
それでもうるさい場合には交換時期なのかもしれませんね。
さて、本題の24時間換気システムの電気代です。

換気の種類
換気システムには3つの種類があり、一般住宅で採用されるのは、第1種換気か第3種換気なので、まずはその説明から。(第2種換気はクリーンルームなどの特殊な環境で採用されることが多いです
第1種換気
給気(空気を取り込むこと)にも排気(空気を排出すること)にも換気扇を用いるため、電気代は高くなりがちですが、自然換気を用いないため、調節しやすく安定した換気を行うことができます。さらに熱交換式の場合には暖めたり涼しくした部屋の空気を損なう熱損失も防げるため冷暖房費は節約になります。デメリットは初期費用が第3種に比べて高い点です。
第3種換気
給気を自然給気で行い、排気に換気扇を用いるシステムです。第1種換気システムに比べると消費電力が低いため電気代は抑えることができます。作りも簡単なためメンテナンスはお手軽で、初期費用も抑えられます。自然給気を用いるため、せっかく暖めた(涼しくした)室内の温度を損なう点がデメリットとしては挙げられます。
実際の電気代ですが、よく使われる第3種換気で計算してみると、
月々わずか250円程度です。
24時間、回しっぱなしでわずか250円です。
1日当たり、8円程度。
同じように家の中で24時間、365日、つけっぱなしのモノと言えば、冷蔵庫ですが、4人家族に最適な450Lの最新の冷蔵庫の1か月の電気はおよそ、500円~600円です。
24時間換気の電気代は思っていた以上に安いと思いませんか?ぜひ、24時間換気は止めずにまわしておきましょう!(ジョイ・コス住宅システムで採用している換気システムは、そもそもOFFのスイッチがついてません!)
最後に、大切なので、もう一度。
・寒い
・換気扇がうるさい
・電気代がかかる
という理由で、24時間換気を止めてしまうと、
結露が発生しやすくなります。
高気密高断熱住宅では、「寒い」という理由で止めることは無いとは思いますが、万が一、どんなに高性能な住宅でも、換気を止めれば結露が発生します。
結露の発生は、本当に健康にとっても、住宅そのものにとっても良いことがありません。くれぐれも24時間換気は止めないようにしましょう!
結露についてはこちらの記事も参考にどうぞ
暖かい家では24時間換気は止めなくても暖かい!