感染症対策の換気について最近よく耳にすることが多くなりました。
換気することで汚染された室内の空気を常に入れ替えることで感染症拡大を防止するためです。
では家の換気とは何を目的にするのか、どんな効果があるのか、あらためて書いてみました。
換気は、汚れた空気を新鮮な外気と入れ替えることを目的として行います。
汚れた空気とは
・人が呼吸することで吐き出される二酸化炭素(CO2)
・部屋のホコリや建材、家具などから発生する有害物質
・洗濯物やペット臭
・炊事や入浴などで発生する水蒸気
・人間自身が発生させる汚染物質(感染症の原因となるもの)
室内は常にこのような空気の汚れの原因が発生していて、その中で生活しています。
また、室内の空気を燃焼用として使う反射式ストーブやファンヒーターは、一酸化炭素や二酸化炭素、窒素酸化物が発生、また多量の水蒸気も発生(灯油1リットル燃焼すると1.13リットルの水蒸気を発生)し室内の空気を汚染する危険なものです。当然、高気密・高断熱住宅での使用は厳禁となっています。
汚染された空気を吸うことは特に体力が弱った人にとっては回復を妨げることにもなりかねませんから
換気は24時間連続して動かし、汚れた空気がとどまることがないよう止めてはいけないのです。
止めるとどうなる
換気を止めると室内の空気は臭いや目に見えない汚染物質で淀んだ空気になり
水蒸気も排出されにくくなるため、特に冬は窓や北側の押入れなどに結露が発生しやすくなります。
結露はカビ発生の原因となり、アレルギー症状を引き起こす健康被害の原因になると言われています。
24時間換気はこのような問題を未然に防いでくれるのです。
気になる電気代 24時間の電気代はどれだけかかる!?
24時間 365日 ずっと動かしっぱなしだと電気代が心配ですが
ジョイ・コス住宅システムの換気モーターの消費電力は12W
電気代は1日わずか8円ほどしかかかりません(電気料金28円/kWhで計算)
1ヶ月240円 缶ビール1本ほどですからつけたり止めたりする必要はありません。
第三種換気ジョイ・コス住宅システムの換気経路(空気の流れ経路)
新鮮空気の取り入れ口は排気口またはドアと対角とし、室内に淀みを作らず換気するようにしています。
このような空気の流れ経路を確実に作るためには住宅の気密化が重要となります。
スキ間があるとこの空気の流れ経路とは別にすき間から勝手に出入りしてしまうためこのような経路は作れません。
また、給気口からの新鮮空気も予定通りとはいかず換気の効率(入れ替え)も悪くなってしまいます。
気密と換気の密接な関係
では気密がどれくらいだと換気の経路が定まり入れ替えの効率が上がるのでしょうか。
気密レベルと計画換気のコントロール率(計画換気量144m3/時とした場合)
住宅の気密レベル C値 | 給気口から入る量(外気)と割合 | 隙間から入る量と割合 |
5.0cm2/m2 | 58.73m3時 40.8% | 85.27m3/時 59.2% |
2.0cm2/m2 | 91.9m3/時 63.3% | 52.91m3/時 36.7% |
0.5cm2/m2 ジョイ・コス基準 | 125.74m3/時 87.3% | 18.26m3/時 12.7% |
0.25cm2/m2 ジョイ・コス平均 | 134.2m3/時 93.2% | 9.75m3/時 6.8% |
解説
上記の表からわかることは気密が高いほど、意図した所から新鮮空気が入ります。
気密が5.0cm2/m2では隙間から入る空気の方が多いため計画換気にはならず経路や量がコントロールできません。
さらに風がある日は風力差換気、室内と外気による温度差換気で勝手にスキ間を通して入れ替わろうとします。
ジョイ・コスの気密の基準値0.5cm2/m2以下を下回ると計画した換気量が90%以上の割合で外から取り込まれることになるので計画換気が達成されます。
まとめ
高気密・高断熱住宅に換気はなくてはならないものです。しかし現実には換気をすると寒いうるさいと言って止めてしまっているという話もよく聞きます。せっかく高気密・高断熱で暖かい住まいを求めても換気計画と必要換気量の設定がいい加減だったり気密が悪いと快適な室内は望めません。
高気密・高断熱住宅の定義がない日本の住宅で換気の義務化はされていますが、実態はただつけただけの換気扇というくらいのものが多いように感じます。お客様はそこににも何十万かの投資をしている訳ですから根拠のある計画換気で本当に安心、安全な住宅が増えていって欲しいと思います。
終わり