床暖房のいらない家ジョイ・コス 熱交換換気システムの本来のメリットは!?間違いだらけの換気選び!その1

24時間熱交換換気システムの是非 その1

 

文 システム開発者 佐藤益夫

 

よく皆さんから第3種がいいですか?第1種の熱交換型の方がいいですか?ときかれます。

質問の趣旨は、省エネ住宅の24時間換気設備としてどちらが「良いか?」とういうことでしょうが一般論として評論するとエネルギー(熱)損失だけを考えると、第3種は換気回数0.5回/時 分を丸々100%捨てるところを、第1種は出て行く空気と入ってくる空気の間で熱交換させ80~85%のエネルギー(熱)を回収できるという理屈であり、省エネ住宅としてはまことに歓迎される理論といえます。

第三種換気

第3種換気システムは強制排気、自然給気タイプでモーターは1個だけ本体もコンパクト,ただし熱ロスは100%

 

 

 

ただし、換気本体の価格差やダクト材料・施工費のコストアップ、ファンモーター2台分の消費電力量だけでメリットを論ずる訳にはいきません。

 

その前に!

第1種、第3種の比較検討をする前にあなたの会社で施工する建物の気密レベルはいか程か、を把握することの方が先です。

今まで気密の重要性について何十回となく、事あるごとに口うるさく言ってきました。

ジョイ・コスのメンバーは気密レベルにおいて、C値=0.5cm2/m2以下を守っており問題はありませんが、気密に無頓着で測定もしたことのない工務店さんが第1種だとか第3種だとか 高気密・高断熱住宅と言いながら、その省エネ性を自らブチ壊しているのをご存じでしょうか

第3種と第1種が捨てる熱ロスを簡単に計算・比較すると

条件)床面積132m2(40坪)平均天井高2.4m 換気回数0.5回/時 

計画温度差 25℃  (室温20℃  外気温-5℃) 

第1種の熱交換効率を80%とする。

 

➀ 第3種が捨てる換気熱ロスは

換気量=建物気積×換気回数=132m2×2.4m×0.5回/時=158.4m3/時

換気熱ロス=換気量×空気の容積比熱×内外温度差

=158.4m3/時×0.35Wh/m3K×(20℃-(-5℃))=1386W となります。

 

➁ 第1種が捨てる換気熱ロスは 80%熱回収して20%捨てるから

第3種の換気熱ロス1386W×20%=277Wを捨て1386W-277W=1109Wを回収することになります。

 

 

この段階で建物のスキ間がゼロであれば、第3種では1386W捨てるところを第1種では同じ0.5回/時の換気をしているのに277Wしか捨てないから断然有利と言えます。コストアップした経費の回収も短時間で可能となるかもしれませんが残念ながらどんな建物にもスキ間は残ります。そのスキ間を通して温度差換気と風力差換気が発生して、暖冷房計算に影響を与えることになるのです。

ここまでのまとめ

第3種換気は換気した分がすべて熱ロスとなるが、その熱の80~85%を回収するのが熱交換換気の役割です上記計算では熱交換換気で回収する熱は1109wとなりました。

これは何を意味するのかというと1109wの熱を回収して外気の冷たい空気と交換させ室内に戻すことで暖房負荷を減らせることになります。

例えば熱交換効率80%で室内20℃ 外気温度-5℃の場合室内の給気温度は

80%÷100×(20℃-(-5℃))+(-5℃)

80%回収すると15℃となる、この15℃分を回収することで暖房エネルギーの低減と暖房設備の縮小などのメリットがあります。

 

それではスキ間を通して直接出入りする漏気量を求め、エネルギー計算して実質どれだけ影響を与えているか説明します。(データはジョイ・コス住宅システム換気計画資料から抜粋しています。詳しく知りたい方はお問い合わせください。)

画像提供 ガデリウス・インダストリー株式会社

 

            おいワケーのオレはなに言ってるのかさっぱりわかんねーけど

                  おまえはちゃんと勉強しろよ!

                 このあともっと難しくなりそうだぞ~  

 

その2へつづく

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