床暖房のいらない暖かい家 高気密・高断熱住宅なのに床が冷たい!? ジョイ・コスは基礎断熱を採用しません。

ジョイ・コス住宅システム

高気密・高断熱住宅の基礎断熱についてジョイ・コスの床下空間に対する考え方を私の経験を通して解説します。

文 システム開発者 佐藤益夫

床下空間は外気とみなして開放とする!

何故かというと・・・
・床下空間又は空気を利用する目的と理由が見つからない。
・見えない床下空間(空気)を何かに利用するには、衛生管理上発生するであろうリスクが大きすぎる。
・住まいの有効スペースとして使えない(使わない)

人の住まない床下空間を暖房(冷房)する、あるいは暖気(冷気)をまわして床の温度を上げる(下げる)と言う理論は省エネルギー の精神(理論)に大いに反する。

床下は先人の知恵として、床を高く風通しの良い構造が、高温多湿の気候に最適と考えられ採用されてきた歴史がある。

歴史に残る日本家屋の構造は床下を高くして風通しを良くしていた。

 

ジョイ・コスでは、シーズンを通し床下の外乱要素の影響を受けないようにU値(熱貫流率)0.35W/㎡Kの床断熱パネルを製作、採用!

更に近年、北上を続けるシロアリ被害の対策として、床下開放による通風、光、乾燥条件はシロアリの行動に制限を加える効果がある。

しかも、予想もしない床下浸水や雨水による断熱性能の劣化の心配のない硬質ウレタンを断熱材のベースとしての採用と、床下開放で災害への対応も心強い。

ジョイ・コス標準仕様

ジョイ・コス住宅システムは床で断熱するため床下は外、人が生活するところだけ暖房、冷房、換気すると言うシンプルな構造。

床下に空間を設けたら、いくら密閉した床下でも対流が発生し、当然床下が冷たくなる。

床下に抜けるエネルギーを蓄熱コンクリートに溜めると言う理論が、土間床コンクリート工法の目的。

床が冷たくなるから温めるでは、本来の目的と真逆である。

基礎断熱の本来の考え方(原点)~昭和60年頃からの体験

北海道で火山灰の土地に布基礎で建築した住宅が、地面の凍上で傾くという現象が続出(苫小牧エリア)

そのため床もコンクリートで固め、布基礎と一体にして家全体を支える構造に改良。
フラットコンクリート基礎の上に土台、根太を並べ建方をする。床材は根太に直貼り。あわせて暖房の熱を土間コンクリートに蓄熱する理論に発展し、土間コンクリート全体を外から断熱して、土間コンクリート基礎断熱工法の原点がスタート。

しかし、コンクリートの上に根太、その上に床板を貼った場合、生活する上で膝が疲れることと、後の管工事が面倒ということから基礎の断熱はそのままに、床下に空間を取る工法へと変化。と同時に床の冷たさが現実となって床下に暖房器または床に通気口を設け、空気を回す工法へと変革していった。

布基礎立上がりのコンクリートを囲う断熱材の性能と施工によって、床下空間で結露→カビ→ダニ、チリ・ホコリの堆積、その他に基礎断熱の断熱材自体がシロアリの被害に。

 

それではと断熱材を基礎内側へ、土間コンクリート下の断熱材もコンクリートの上、つまり室内側へ敷き込む工法へと変えた。

断熱材が基礎の内側に貼り付けられたことで基礎断熱本来の考え方は変わってしまう。

この時点で土間コンクリート基礎断熱の理論は崩壊。家の傾き防止と省エネ対策としてのコンクリート蓄熱層が本来の目的でありながら現在の土間コンクリート基礎断熱工法は何を目的とするのか?

基礎断熱を採用した当初の目的に対して本末転倒になっている!

単純にシロアリ被害防止のためとしか考えられない。

本来の目的である省エネはどうするのか?又、構造的にぬぐいきれない床下の結露、カビ、ダニ、ホコリの問題はどうするのか?

目的を失った工法、手法は、弊害あって一利なし!!

 

 

 

 

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