床暖房がいらない本当の理由

床暖房のいらない家

まずは結論から

結論から言うとジョイ・コス住宅システムで建てられた住宅の床表面温度は、床暖房なしでも一般的なエアコンやパネルヒーターで十分暖かくなるからです。
例えば室内を22℃、床下空間を0℃の条件で床の表面温度を計算するとジョイ・コス床パネル(ウレタン80ミリ+炭化コルク25ミリ)の場合は21.2℃
なります。

実態はというと仕上の床材への蓄熱効果などで、床表面温度22℃~23℃程度(実測値)となります。

床表面温度
ちなみにISO(国際標準化機構)には冬の快適条件として以下の6項目が提示されています。

ISO7730 冬期の快適条件

1. 効果温度は22±2℃  ※1
2. 頭部と足下の温度差は3℃以下
3. 床表面温度は26℃以下(周囲は29℃を許容)
4. 平均気流速度は0.15m/s以下
5. 冷壁面との放射温度差は10℃以下
6. 天井加熱面の表面は+5℃以下(天井暖房に関して)

※1 効果温度とは(気温+平均放射温度)÷2
で表される温度で、空気の温度だけではなく壁・床・天井の表面温度も加味した、より体感に近い温度です。
例えば、下図のように同じ室温でも断熱性の良し悪しで表面温度が異なれば効果温度(体感温度)にも差が出るということです。

効果温度

同様に一般建築によく使われているグラスウール16kg/m³の100ミリを床の断熱材に使用したとき室温22℃、外気温0℃を条件に床の表面温度をシミュレーションすると床表面温度は20.7℃となり、ジョイ・コスの表面温度とほとんど変わらない数値が出てきます。
ISO7730の条件も(22℃+20.7℃)÷2=21.35℃ とクリアーできるレベルになります。
しかしでは何故この仕様で施工をしないのか?(できないのか)を次に解説します。

床の断熱施工について

実は床の断熱材をムリ、ムダ、ムラなくマニュアル通り適正に施工させるには相当の施工精度(ウデ)が要求されます。
実際自分でやってみればわかります。グラスウール等、綿状断熱材であれ、ボード状プラスチック断熱材であれ、床材を貼る前に大引の上、根太の間に施工するということは、
まず断熱材がだれたり、落ちたりしないこと!
根太と根太の間にスキ間ができないようにはめること!
そして施工した断熱材と床材の間に空間がでないようピッタリくっつけること!
もし空間があれば使用した断熱材の効果は正しく発揮されないことになります。
(前述の表面温度の計算はこれらの施工マニュアルを正しく守って施工しているという前提でシミュレーション
しています)

気密の目的2

その上に更にプラス工事として室内の水蒸気が侵入してこないように床材を貼る前に防湿工事(防湿シート等)が必須となってきます。
ここまでくると俗に言う「面倒くさい!施工」となりますが、このような施工精度が要求され実行し合格点となります。
よって床部分で断熱するより手軽で管理しやすい基礎断熱工法が多く採用されているのです。

基礎断熱の問題点

次に基礎断熱にしたらどんな問題があるかについて解説します。

本来であれば日本の住宅は床が有って床下は外部として扱われているのが当たり前で、それをあえて基礎で断熱して、床の断熱材をハズすという選択をしたらどうなるのか?

残念ながら基礎にわずかばかりの断熱材、スチレンボード50ミリを貼り付けたところで床下の温度は上がりません。
仮に床下の温度が10℃あったとして床の表面温度は室温22℃の時17.2℃、15℃であっても19.2℃までにしかなりません。

 

結果、基礎断熱特有の「床が冷たい現象」は何かの対策を必要とすることになります。
その一つとして室内の空気を床下に回したら床下が温められ、基礎断熱しているから冷めにくいだろうと考えて室内の空気を床下に通して循環させる工法が採用されることに!

しかしこれには思わぬ問題が発生することに!
を移動させるためには対流と放射(輻射)と伝導(伝達)の3つの方法がありますが、床に空気を廻すということは対流の原理を利用することになり、床下まで均等になるには相当の時間がかかります。

一方空気には実は水蒸気(湿気)という眼には見えない1/300万ミリという大きさの分子が存在し秒速640m/sで動き廻っています。
ご存知の様に水蒸気(湿気)は絶対量の多い方から少ない方へと移動する習性を持っていて、床下に暖かい空気がノンビリ対流してたどりつく前に、マッハ2の速さで水蒸気(湿気)の方が床下に到着し、更に冷たいところが大好きですから結露に変身してしまう離れ技を披露してくれます。

床下の結露はカビ、ダニの発生源となって過去にも大きな問題を私たち投げかけてきました。
この結露にビックリして次に取った対策は床下に暖房器(設備)を設置するという手段、もしくは直接暖気を吹き込むという方法を採用することになりました。

結露するから床下に暖房をする?!

何かおかしいと思いませんか?

人のための暖房じゃなかったの?

これらの問題点を整理すると、元々は何のための基礎断熱工法の採用であったのか?疑問を覚えます。
又私たち業者に託されている建築業を通して省エネを促進しましょうという大義名分があまりにもおろそかになっていませんか?

なぜなら人が住まない、人が生活に利用しない床下に暖気を廻して床の冷たさを解消するという手法はあまりにも省エネ住宅の精神に反すると考えられませんか。

次に床暖房の採用についてです。
床下に何か細工を求めて対応したのとは違い、単的に床の冷たさを床暖房で解決するという究極の技。
又一般的に世間では有名人やタレントの自宅紹介で床暖房が取り入れられ、あこがれの設備、ステータスの一つとして評判になっていることもあり、ことさら
素晴らしいモノとしてとらえられている実態があります。

次回はジョイ・コス住宅システムはなぜ基礎断熱を採用しないのかについてお話します。

関連記事

  1. 24時間換気は止めてはいけない 気密と換気の密接な関係とは …

  2. 断熱の技術

  3. ジョイ・コス住宅システム

    床暖房のいらない暖かい家 高気密・高断熱住宅なのに床が冷たい…

  4. 社長 佐藤益夫 の人生

  5. 気密

    気密の考え

  6. 高気密・高断熱住宅エアコンの基礎知識