今更聞けない用語解説 C値

建物の気密性能を語る上でかかせない用語にC値(シーチ)というものがあります。住宅関係のチラシには、たいてい「高気密高断熱住宅」と書いてあると思いますが、高気密であるかどうかを判断する指標がC値で、今回はこのC値について解説したいと思います。

C値(シーチ)

C値とは、建物の気密性能を表す指標で、「相当隙間面積」の略称です。(計算ではなく、実測により求められる値)
単位は「c㎡/㎡(一般的にヘイホウセンチ・パー・ヘイベイまたはセンチヘイベイ・パー・ヘイベイと読む)

C値は、JIS A 2201にその試験方法が示されているのですが、送風機を使って建物内外に圧力差を生じさせ、圧力差と送風量を計測することで家全体の隙間面積が測定されます。測定された隙間面積(c㎡)を延床面積(㎡)で割ると相当隙間面積C値が求められ、値が小さいほど隙間が小さいことになりますので気密性が高いということになります。

省エネ基準上では、平成4年の改正時に初めて定量的な値が示され、平成11年の改正時には、寒冷地では2.0c㎡/㎡以下、その他の地域で5.0c㎡/㎡以下が気密性の基準でした。その後、定量的な基準はなくなりましたが、ジョイ・コスでは創業当初からC値0.5c㎡/㎡以下という自社基準を設け、施工中と竣工後の2回、測定を実施しています。
今ではC値が0.1c㎡/㎡以下という建物も珍しくなく、ここ数年の平均値は0.17c㎡/㎡となっております。

気密化の目的とC値

C値の意味は上述の通りですが、そもそもなぜ住宅を気密化する必要があるのか復習してみましょう。

気密化の目的は、大きく4つあります。

①隙間風によるエネルギーロスの低減!
建物に隙間がたくさんあると、当然のことながらその隙間を通て空気が出入りします。
特に冬場、暖房でどんなに室内を暖めてもその暖められた空気が隙間から逃げていき、冷たい外気が隙間から入ってくれば当然寒さを感じますし、暖房エネルギーを無駄にすてていることになります。
暖かい空気は軽いので、主に天井などの隙間から逃げ、その代わりに床廻りの隙間から冷たい外気が入ってきます。どんなに暖房を強く運転しても足元が寒い家、そんな家は断熱もそうですが気密がともなっていないのが原因です。
ですから、隙間をできるだけ少なくすることで暖房の効率を上げ、同時に暖房にかかるエネルギーを抑えるというのが一つ目の目的となります。

気密の目的1

②断熱材の断熱効果を最大限に発揮させる!
断熱材は、その中にある空気をできるだけ静止させることによって、その保温性を生み出しています。つまり、どんなに優れた断熱材をどんなに厚く使ったとしても断熱材の周辺や内部で空気が移動してしまえばその断熱効果が発揮されないということです。
断熱材に入り込む空気をシャットアウトして断熱材の断熱効果を高める、これが気密化の二つ目の目的となります。

気密の目的2

③内部結露の防止
プラスチック系の断熱材とは違い、グラスウールなどの繊維系断熱材は通気性があり、空気とともに水蒸気も通します。冬期、暖房により暖まった室内の空気は、水蒸気もたくさん含んでいますから通気性のある繊維系断熱材の中を通ると外気側で冷たくなり、壁の中で結露してしまいます。
この現象を内部結露といい、直接目に見えない部分での結露ですので、気づいた時には壁の中がカビだらけだったり、木材が腐っていたりと建物に深刻なダメージを与える現象です。
これを防ぐために断熱材の室内側に防湿シート等を張ることで、室内の水蒸気が壁の中に入らないようにします。これが気密化の3つ目の目的です。空気に対する気密ではなく、水蒸気に対する気密という考え方です。

気密の目的3

④換気効率の向上
どんなに高価で性能の良い換気設備を導入しても隙間だらけの住宅では、空気が好き勝手に出入りします。換気(24時間換気)の基本的な考え方は、室内の汚れた空気をゆっくりと排出しながら、新鮮外気によりゆっくり希釈し、室内を清浄に保つことなのですが、空気が好き勝手に出入りしてしまうと、この考え自体が成立しないことになります。汚れた空気を排出したいのに新鮮空気が入ってきてしまうとか、新鮮空気を導入したいのに入ってこないとか。つまり、換気経路における不安定な漏気や気流のショートサーキットを防ぎ、安定した換気を実現させることが気密化の4つ目の目的です。

気密の目的4

省エネ基準から消えたC値

以上のように住宅の気密化には省エネ性や室内空気質に関わる重要な目的がありますが、現在の省エネ基準では定量的な基準が設けられていません。なぜかというと相当隙間面積C値が小さいだけでは上記4つの目的すべてを達成することができないからだといわれています。
①と④に関しては、隙間が小さければその目的は達成されますが、②に関しては、気密層により隙間がゼロであったとしても断熱材が連続して施工されてるとは限りませんし、③に関しては隙間がゼロであっても防湿対策がなされていなければ水蒸気が壁内に侵入してしまうため壁内結露が防げないことになります。

つまり、単にC値を小さくすることが住宅の気密化ではなく、断熱材を隙間なく施工し、防湿対策もした結果、C値も小さくなり住宅の気密化がなされたということになるわけです。
これは、ジョイ・コスがパネル化工法を推進する理由の一つです。

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