住宅の断熱性を語る上でかかせない用語にUA値(ユーエーチ)というものがあります。平成25年に改正された省エネ基準で初めて登場した言葉なのですが、今回はUA値について簡単に解説したいと思います。
UA値(ユーエーチ)
UA値とは、建物の断熱性能を表す指標で、「外皮平均熱貫流率」の略称です。(ただし、計算により求められる値)
単位は「W/㎡K(一般的にワット・パー・ヘイベイ・ケルビンと読む)」。
ここで外皮とは、建物において断熱された部位を指し、天井・外壁・窓・床など室内と外気との境界になる部分のことをいいます。ですから、総2階建ての建物の1階天井や2階の床は断熱する必要がないので外皮とは呼びません。
次に熱貫流率です。熱貫流率とは、断熱された外皮自体の断熱性能を表す指標で、略式的にはU値(ユーチ)とも呼ばれます。単位は上記と同じ「W/㎡K」。
言葉の意味としては、1㎡の部位の前後に1℃の温度差があったときに1時間に伝わる熱の量を表し、部位を構成する断熱材の種類や厚さによって変わる値です。1時間に伝わる熱の量ですから、当然値が小さいほど熱を伝えにくく断熱性が高いことになります。計算方法の詳細は割愛しますが、0.4W/㎡Kを切れればまずまず、0.2W/㎡K以下だとかなりの断熱性だとお考えください。
話は戻ってUA値です。UA値の「A」は「average(アベレージ)」の「A」で平均という意味です。天井、外壁、窓、床等の部位のU値の平均を表すのがUA値ということです。ですから、まったく同じ断熱仕様でも建物ごとに部位面積は異なりますので、UA値も建物ごとに計算しないとわからない値となります。数値的には熱的に弱い窓等の開口部も含まれますので、UA値が0.5以下で高断熱、0.3以下で超高断熱といえるのではないでしょうか。
ちなみに建築物省エネ法という法律において示された建設地ごとに必要とされるUA値の基準値は以下の通りです。(必要とされるだけで義務ではないですが)
主に北海道:0.46W/㎡K以下
主に北東北:0.56W/㎡K以下
主に南東北:0.75W/㎡K以下
主に関東以西:0.87W/㎡K以下
主に沖縄:基準なし
標準ジョイ・コスの平均0.39W/㎡K
スーパージョイ・コスの平均0.25W/㎡K
以上、何となくおわかりいただけましたでしょうか。意味はわからなくとも、値が示す断熱性がどれくらいのレベルを指すのか、イメージだけでもつかんでいただければ幸いです。
住宅展示場に行かれた際には是非、聞いてみてください。「この建物のUA値はいくらですか?」と。